読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

まだモノなんか捨ててるの?

ミニマリストを煽る唯一のミニマリスト、しゃどみとは私のことです。

なぜ消費しないことは悪なのか?モノづくりの最前線から考えてみた。

ミニマリスト批判で多いのってこれですよね?

 

「消費しないとはけしからん!消費しないと経済が回らない!経済が回らないと世の中豊かにならない!」

 

この批判に対してミニマリスト達は。

「経済なんて回さなくていいじゃん、最低限でいいじゃん、これ以上豊かにならなくていいじゃん。だから消費なんて悪、しない俺たちは正義!」

みたいに返してます。

 

※主観です、実際はもっといろんな意見があると思います。

 

これって実はすごく難しい問題なんですよね。

消費しないミニマリストとしては、消費なんて悪!と思っていますが、

モノづくりに携わる人間としては、消費はウェルカム!お前らもっと無駄遣いしろ!

って思ってしまいます。

どちらの意見もよくわかるのです。

 

ミニマリストとしての意見は、多分ほかの皆さんが沢山書いておられると思うので、

本日はモノづくりの最前線で戦う社畜として、消費しないことがなぜ悪なのかを述べさせて頂きます。

 

乱文になっておりますが、ミニマリスト達にどうしても私が言いたいことなので、なんとか読んで頂ければ幸いです。

 

私のお仕事

以前書いたかもしれませんが、私の仕事は製造業です。

ミニマリストにありがちなITだのノマドだのとは正反対の職場で、

開発職をやっています。

 

完全なB to B企業なので、一般人の知名度はゼロですが、ある分野では世界で3本の指に入る技術を持った会社です。

そこの開発部門で働く、ということはモノづくりの最前線にいるということなのです。(・・・と、いうことにしておいてください。)

 

モノづくりの最前線で感じること、それは

「技術が余りにも未発達である」

「このままの技術では持続可能な社会など到底不可能である」

ということです。

 

持続可能な社会はまだまだ作れない

現代の科学技術って実はまだまだ貧弱なんです。

「高い性能を持ったモノを作る技術」というのはある程度飽和してきていますが、

「高い性能を持ったモノを、環境に負荷をかけずに、持続的に作り続ける技術」

はまだまだ未発達。

 

もしも地球があと100年くらいで無くなるのであれば、もう進歩を止めて今のペースで資源を使っても大丈夫ですが、

今後数百年、数千年と人類が地球で暮らすことを考えると、今の技術のまま社会を回し続けたらかなり早い段階で資源が枯渇します。

もしくは深刻な公害でまともに住めなくなるでしょう。

 

それを防ぐためにも、科学の進歩は不可欠なのです。

だから消費を辞めるわけにはいかないのです。

 

科学の進歩と消費に何の関係があるんだ!と思われるでしょうから、ここから簡単に説明していきます。

 

消費と研究開発の関係

まずはこちらをご覧ください。

各社の売上高と、それに対する研究開発費の比率等が書かれています。

日本を代表する大企業、トヨタ自動車の売上高に対する研究開発費率のデータを見てみましょう。

f:id:syadmi:20150711223127p:plain

(上記の企業R&Dデータベースより引用)

 

大体4%前後で推移しているのが確認できますね。

2013年は売り上げ好調で、8,074億円が研究開発費として使われています。

 

結論を先に言ってしまいますと、

「みんなが車を無駄に買って、トヨタの売り上げが上がると車に関する研究開発費も増える。

 そうすると技術が進み、より少ない資源で生産できる、燃費のいい車が世の中に出てくる。

 そうやって技術を発達させなければ資源が枯渇し、世の中が詰み状態になってしまう。

 だから消費して経済を回すことには意味がある。」

ということです。

 

もしカーシェアリング等が1960年くらいから主流になっていて、車の需要が半分になっていたとしたら、単純計算でこれまで研究開発に使えた費用が半分ということになります。・

当然研究員の人数も減るでしょう。

イデアがあっても、予算がないので試せない、なんてことが頻繁に起こるでしょう。

そうした開発環境で、10年で車の燃費を35%向上させることは可能だったでしょうか?

 

みんなが余計な買い物をするおかげ企業に余裕が生まれ、新しい技術や概念が生まれるのです。

 

9年間で冷蔵庫の消費電力が3分の1になったのも、みんなが無駄に家電を買って、

家電の研究者に十分な予算が割り当てられていたからです。

10年前に、

「もう技術の発達はいらない、今の技術で質素に暮らそう」

となっていれば、燃費の悪い車や、消費電力の大きい家電を使い続けることになっていたでしょう。

 

技術開発を今辞めて、本当に大丈夫ですか?

ミニマムな生活をみんなが送るとしても、結構なペースで資源を消費しますよ。

 

 

 民間企業が儲からなければ、新しい技術は世の中に広がらない

研究開発は大学や研究機関も当然行っていますが、最終的にその技術を使って世の中を豊かにするのは民間企業です。

そもそも民間企業が潤わなければ、大学や研究機関に予算が届きません。

民間企業の払う法人税や、そこで働く人達の所得税が国から大学や研究機関に分配されるわけですから。

 

イデアとPCがあれば、モノづくりができるIT系と、車や家電のモノ作りは「試作品」にかかるコストが全く違います。

エンジン一台試作して、評価を行うためには数百万円は必要なんです。

(実際はもう一ケタ上かもしれません。)

 カネが、人が、資源が、マキシマムにないといいモノは作れません。

 

環境にやさしい技術開発が今の主流

技術の発展などもう不要だ、と仰る方のイメージする技術開発と、

今多くの民間企業で行われている技術開発にはギャップがあります。

 

「時速300㎞で走れる乗用車」

 を開発しているわけではないんです。

「ガソリン1リットルで300km走る乗用車」

を開発しているのです。(かなり極端な例ですが)

 

少ない資源でモノを作るための技術。

貴重な資源(貴金属等)を使わずにモノを作るための技術。

ゴミから資源を回収するための技術。

廃棄しているエネルギーを回収するための技術。

自然に負荷をかけずにエネルギーを生み出す技術。

 

こうした技術の開発が今は主流です。

こうした技術の発展は必要ではありませんか?

 

 今のままの技術ですと、2050年くらいには人類詰みますよ?

資源枯渇リスク- レアメタル問題 | NIMS レアメタル・レアアース特集

 

 

 

 

 消費して、研究開発にカネを回して技術を発達させないと世の中が詰むよという話ですが、納得頂けたでしょうか。

今のモノづくりは、実は環境に負荷かけまくり、持続可能性考慮してなさすぎな一面があります。

消費者としてモノを買ってるだけでは気付きませんが、現実はそんなもんです。

 

だからといって無駄遣いしても。世の中がよくなるわけではないでしょう。

カネを渡したからと言って、いい研究成果が上がるとは限りません。

3Dプリンタや各種シミュレーション技術の発達のおかげで、あまりお金をかけずにいいモノが作れる環境が整ってきているのも事実です。

もしかしたら消費して経済を回さなければ!という考えは古いのかもしれません。

 

ですが、私は実際に製品開発に関わっていて、お金がないとどうにもならないと感じています。

(私の実力不足が大きな原因ですが)

 

世の中、皆が自分みたいな物欲のない人間ばっかりだったら、研究開発費なんてまともに貰えなくなるでしょう。

世の中皆がアーリーリタイア希望者で、第一線で働く期間が20年程度しかなかったら、花開くまでに20年はかかると言われる基礎研究部門は崩壊するでしょう。

 それってマズくないですか?

 

 

 

非常に難しい問題ですが、何事もバランスが大事。

ほどほどに節約して、ほどほどに消費して、ほどほどに世の中を回しましょう。

消費せずに、技術開発だけにお金がまわせるシステムがあれば一番なんですけどね。

 

使う資源を最小化したい、そう思って日々社畜として頑張るエンジニア達も、立派なミニマリスト

 

消費を嫌いすぎるミニマリスト達へのメッセージは以上です。

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ ミニマリスト(持たない暮らし)へ